お正月のタブーとは?|由来と意味を知ろう
お正月は、新しい年の始まりを清らかな気持ちで迎える大切な節目ですよね。
そんなお正月には、昔から「やってはいけないこと=タブー」があるのをご存じでしょうか?
これは、日本の伝統や風習に根付いたもので、「福を呼び込む」「縁起を担ぐ」といった意味が込められています。
もちろん、現代ではそこまで厳しく守る必要はないかもしれませんが、意味を知っておくと、より丁寧な年始を過ごせますよ。
タブー① 刃物を使ってはいけない理由
お正月に刃物を使うことは、「縁を切る」「運を断ち切る」といったネガティブな意味合いを持つとされています。
そのため、日本の伝統的な風習では、元日から数日は刃物を使うことを避けた方がよいとされてきました。
特に、ハサミや包丁、爪切りといった家庭でも日常的に使う道具であっても、お正月の間は使わないように気を付ける人も多いんです。
これは、「新しいご縁」や「これからの運」を断ち切ってしまわないようにするための、縁起担ぎのひとつ。
特に家族の健康や幸せを願うお正月にこそ、こういった細かな気遣いが大切にされてきたんですね。
髪や爪を切るのもNG?
実は、髪を切ることや爪を切ることも、「自分自身の運気を削ってしまう行為」と考えられています。
爪や髪の毛は体の一部ですので、それを切ること自体が「自分を削る」ことに繋がるという考え方なんですね。
もし美容室に行く予定があるなら、できれば年内に済ませてしまいましょう。
年越し前にヘアスタイルを整えておくと、気分もシャキッとして新しい年を気持ちよくスタートできますよ♪
使ってしまったらどうする?
とはいえ、日常生活ではどうしても刃物を使わなければならない場面もありますよね。
たとえば料理の下ごしらえや、子どもの爪が伸びすぎてしまったときなど…
そんなときは「心を込めて使う」ことが大切。
「神様ごめんなさい」と心の中でそっと唱えるだけでも気持ちが整いますし、「家族のため」「清潔のため」と前向きな理由があるなら、過度に気にする必要はありません。
大切なのは“縁起を担ぐ”ことを通して、丁寧に日々を過ごそうとする気持ち。
その心を大切に、新年のスタートを清々しく切りましょうね。
タブー② 火を使う煮焚きをしてはいけない理由
お正月には「かまどの神様を休ませる」という意味から、火を使った煮炊きを控えるという風習があります。
これは、日々の食事を作ってくれている台所の神様(荒神様)に感謝の気持ちを込めて、三が日くらいは休んでもらいましょう、という優しい考えに基づいています。
また、元旦に火を使うことで、1年中火事が起こりやすくなるという迷信もあるため、「火を使うのは縁起が悪い」とも言われてきました。
地域によっては元旦に火を使うと「火難に遭う」とまで言われることもあるんです。
なぜ三が日は台所を休めるの?
昔の暮らしでは、薪や炭を使って煮炊きをしていたため、火を使うこと自体が重労働でした。
新年くらいは台所の主婦もゆっくりして、家族みんなで穏やかな時間を過ごそうという意味も込められていたんですね。
その背景から、年末にまとめて料理を作っておき、お正月は「温めるだけ」「そのまま出すだけ」で済むようなおせち料理が定着しました。
色鮮やかで日持ちもするおせちは、まさに知恵と愛情の結晶です。
現代的な対処法(事前準備・レンチン活用など)
とはいえ、現代ではキッチン事情も大きく変化しています。
電子レンジやIH調理器、さらには炊飯器の保温機能など、火を使わずに安全に調理できる器具がたくさんあります。
事前に冷凍おせちやお惣菜を準備しておけば、三が日も負担なく過ごせますし、最近では通販のおせちやコンビニで手に入る豪華なお惣菜も充実しています。
家族の好みに合わせて少しずつ工夫しながら、「がんばりすぎないお正月」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
大切なのは「台所に感謝する気持ち」と「無理せず笑顔で過ごすこと」。
形式に縛られすぎず、自分たちのスタイルで心地よい新年を迎えてくださいね。
タブー③ 四つ足の動物の肉を食べてはいけない?
お正月に四足歩行の動物(牛・豚・鹿・羊など)の肉を食べることを控える風習は、特に昔からの伝統を大切にしている地域に残っています。
その理由は、「血生臭さ」が“穢れ”に通じるという考え方から来ており、清浄な気持ちで新年を迎えるべき時期にはふさわしくないとされてきました。
また、四つ足の動物は「地を這う存在」とされ、神聖な存在と距離があるという見方もあります。
神様を迎えるお正月には、そのような動物の肉を口にしないことで、敬意を表すという意味も込められているのです。
最近ではこうした風習を知らない人も多くなってきましたが、知っておくことで「なるほど、だからおせちに肉料理が少ないんだ」と気づくきっかけになるかもしれませんね。
牛・豚・羊・鹿などが対象?
一般的には、牛・豚・羊・鹿・馬などの四足歩行の動物が対象となります。
特に牛や豚は日常的に食べる機会が多いため、お正月でもうっかり食べてしまいがちです。
ただし、地域によってはこうした習慣自体がないところもありますし、家庭によっても捉え方はさまざま。
近年では「好きなものを楽しく食べることが大事」という考え方も広がってきているため、厳密に守らなくても問題ありません。
「家族の健康と幸せを願う」ことが大前提ですので、あまり神経質にならず、自分たちに合った形で取り入れてみましょう。
食べてもいいもの、避けるべきものの具体例
代わりにおすすめなのが、魚介類や豆類などの縁起の良い食材です。
鯛やブリ、サケなどは「めでたい」「出世魚」としてお正月にぴったり。
黒豆は「まめに暮らす」という意味が込められていて、忙しくても健康に過ごせるよう願う意味があります。
昆布は「よろこぶ」とかけられており、笑顔あふれる一年を象徴する縁起物ですね。
また、お餅や栗きんとん、紅白かまぼこなどもお正月らしい華やかさがあっておすすめです。
どれも見た目がきれいで、食卓がパッと明るくなるので、家族みんなで楽しめますよ♪
お肉がNGというよりは、「特定の素材を避けて、縁起を大切にする」という柔らかな考え方で捉えてみてくださいね。
タブー④ 掃除をしてはいけない理由とは?
お正月に掃除をするのは「福を掃き出す」ことにつながるとされ、昔から控えるように言われてきました。
これは、せっかく家に舞い込んできた福や運気を、掃除の“はき出す”動作によって追い出してしまうと考えられていたためです。
特に元日は、年神様が家に来てくれる大切な日。
その日くらいは、おうちを静かに整えておくことで「神様が安心して滞在できる」とも考えられています。
そのため、掃除だけでなく、騒がしい音を立てること全般を控える家庭もあるほどです。
現代の私たちにとっては少し不思議に感じるかもしれませんが、このような昔ながらの言い伝えには、「家族みんなで穏やかに新年を迎えよう」という願いが込められているんですね。
ゴミ出しもNG?年末に済ませるべきことリスト
お正月にゴミを出すことも、「福を外へ出す」行動につながるとされており、縁起が悪いと考えられることがあります。
特に1月1日は、多くの地域でゴミ収集がないこともあり、事前にしっかり準備しておくのが理想的です。
年末までに済ませておきたいこととしては:
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これらを整えておくことで、新年をスッキリとした気持ちで迎えることができ、気持ちの切り替えもしやすくなりますよ♪
やむを得ず掃除したい時の工夫
それでも、「どうしても汚れが気になる…」「小さい子どもがいて掃除しないと無理!」ということもありますよね。
そんなときは、次のような工夫をすると良いでしょう:
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また、「今日は特別な理由があるけど、心の中では福を大切に思っています」と気持ちを込めるだけでも十分です。
行動よりも“気持ち”を重んじるのが日本の文化でもありますから、無理なく取り入れてくださいね。
福を逃がさずに、清らかで気持ちの良い一年のスタートが切れますように♪
他にもある?気を付けたいお正月のNG行動
喧嘩・愚痴・怒鳴り声は運気を下げる?
新年のはじまりにネガティブな言葉を使うのは、運気ダウンの原因になるといわれています。
お正月は、一年の最初の節目。
だからこそ、「明るく」「前向きに」過ごすことが、その後の運気を左右すると考えられているんです。
つい家族との会話の中で愚痴をこぼしたり、子どもを注意して声が大きくなってしまう…
ということもあるかもしれませんが、できるだけ穏やかに、やさしい言葉で伝えるよう心がけたいですね。
「ありがとう」
「うれしい」
「今年もよろしくね」
といった、あたたかい言葉をたくさん交わすことで、家の中の空気もほっこりしますよ♪
借金・貸し借りは一年中苦労の元に
お金の貸し借りに関しても、お正月には特に気を付けたいポイントです。
「年の初めにお金を貸すと、1年を通してお金が出ていく年になる」といった言い伝えがあり、金運が逃げるとされてきました。
もちろん、どうしても必要な状況もあるかもしれませんが、その場合は「お正月が過ぎてから改めてにしようか?」と一声かけるだけで、ぐっと縁起が良くなります。
お金に関する行動は、気持ちにも直結しやすいもの。
新年のスタートは、心にもお財布にもやさしい選択を意識してみてくださいね。
元旦の洗濯・水仕事は福を流す?
「水で福を流してしまう」という考えから、洗濯やお風呂掃除などの水を多く使う家事は、元日は避けると良いとされています。
水に流す=“せっかく入ってきた福を洗い流す”というイメージがあるのですね。
特に洗濯物を干す行為は、「新年に“汚れをさらす”」といった意味合いに取られることもあるため、気になる方は大晦日までに洗濯を済ませておくのが安心です。
とはいえ、こちらも絶対にNGというわけではなく、現代の生活に合わせて柔軟に捉えて大丈夫。
「今日は少し水仕事をするけれど、心は福を大事にしています♪」という気持ちがあれば、それだけでも十分ですよ。
やっておきたい!お正月の縁起が良い行動・マナー
初詣のタイミングと正しい作法
初詣は、新年のはじまりに神様へ感謝の気持ちや今年の願い事を伝える大切な行事です。
できれば元旦から三が日の間に参拝するのが一般的で、早朝の静かな時間帯を狙うと、より厳かな雰囲気を感じられますよ。
神社では、鳥居の前で一礼し、参道の中央は避けて歩くのがマナー。
参拝の際は「二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)」が基本の作法です。
神様に向かって2回おじぎ、2回手をたたき、最後にもう一度深くおじぎをします。
そのあとで、心の中で感謝の言葉や今年の抱負を唱えてみましょう。
また、おみくじや絵馬も人気ですが、大事なのは「心を込めて祈ること」。
混雑していても焦らず、自分のペースでお参りを楽しんでくださいね。
お年玉のマナー(相場・渡し方)
お年玉は、お子さまにとってお正月の大きな楽しみのひとつ。
マナーとしては、ポチ袋という専用のかわいい封筒にお札を入れて渡すのが礼儀とされています。新札を用意すると、気持ちもより丁寧に伝わりますよ。
金額は、年齢に応じて変えるのが一般的です。
たとえば、未就学児には500円〜1,000円、小学生には1,000円〜3,000円、中高生には3,000円〜5,000円程度が目安とされていますが、あくまで参考なので無理のない範囲でOKです。
渡すときには「今年も元気で過ごしてね」「勉強がんばってね」といった一言を添えると、受け取る側も嬉しい気持ちになります。
親戚同士で金額のバランスを確認しておくのもスマートな心配りになりますよ♪
鏡餅や門松の飾り方・処分方法
鏡餅は年神様(としがみさま)が宿るとされる神聖な存在。
お正月の間、家の中に神様をお迎えするための「依代(よりしろ)」とされています。
そのため、飾り方や飾る日にも意味があるんです。
鏡餅を飾るベストなタイミングは12月28日。
「8」は末広がりの数字として縁起が良く、28日は多くの家庭で好まれています。
一方、29日は「二重苦」と読めるため避ける傾向があり、31日は一夜飾りとなってしまうため、急いで用意した印象を与えて縁起が悪いとされます。
飾る場所は、神棚やリビング、玄関など、家族みんなが目にする清らかな場所が◎。
飾る際には感謝の気持ちを込めて、「今年も無事に過ごせますように」と願いを込めると、よりご利益があると言われています。
処分は「松の内」(地域によって1月7日または15日まで)が終わったタイミングで下げ、鏡開き(一般的には1月11日)の日に、お汁粉や雑煮にして家族で美味しくいただきましょう。
割るときは刃物を使わず、手や木槌などで割るのが伝統です。
門松も同様に、松の内が過ぎたら外し、地域のどんど焼きなどでお焚き上げするとよいですね。
初夢で縁起が良いとされるもの(「一富士二鷹三茄子」など)
初夢とは、「一年の最初に見る夢」のことで、1月1日の夜から2日の朝、または2日の夜から3日の朝にかけて見る夢が該当するとされています。
昔から「初夢に何を見たか」で一年の運勢が占えるとされ、縁起の良い夢として知られるのが「一富士二鷹三茄子(いちふじ にたか さんなすび)」です。
この順番には、富士山のように高く美しい目標、鷹のように鋭く力強い意志、茄子のように“成す”=物事を成し遂げるという意味が込められています。
実際に見るのは難しいですが、初夢の内容にちょっとでも「富士山」「鳥」「野菜」などが出てきたらラッキーかも?
また、より良い夢を見るために、七福神の乗った宝船の絵を枕の下に敷くという風習もあります。
この絵には「回文歌(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな)」が添えられていて、悪い夢を見たときは、その絵を川に流して厄払いするという習慣も。
新年の夜には、心を落ち着けて眠りにつき、明るく前向きな夢が見られるよう、リラックスして過ごしてくださいね♪
お正月タブーに関するQ&A
元旦にうっかり掃除してしまったけど大丈夫?
大丈夫ですよ!
うっかり掃除をしてしまっても、気にしすぎなくて大丈夫です。
昔ながらの言い伝えとして「福を掃き出してしまう」とされているだけで、すぐに運気が悪くなるというわけではありません。
「あっ、やってしまった」と思ったときは、「次は気を付けよう」という気持ちで十分です。
大切なのは、新年を丁寧に過ごそうとする“こころ”ですから、自分を責めずに前向きに捉えましょう。
肉を食べたら本当に縁起が悪くなるの?
ご安心ください。
これはあくまで昔からの風習に由来する考え方で、現代ではそれほど厳密に守られているわけではありません。
血の気が強い肉類を避けることで「穢れを遠ざける」という意味があったのですが、今は家族団らんの中で「美味しく、笑顔で食べること」が何より大切です。
気になる方は控えてみる、程度の感覚でOKです。
「今日は少し控えて、代わりに縁起の良い食材を楽しもう♪」
くらいの気持ちで取り入れるのがおすすめですよ。
他にもタブーはある?知られざる風習も紹介
実は、お正月にまつわる細かな風習は他にもあるんです。
・夜に爪を切らない(「親の死に目に会えない」なんて迷信も…)
・寝正月にしすぎない(だらけすぎると福が逃げるとも)
・元旦に泣くと一年中泣き暮らすという言い伝えも
・お正月にお金を借りると、一年中お金に苦労するとも言われています
ただ、これらは地域差も大きく、すべてを完璧に守る必要はありません。
知らないまま過ごしていても気に病む必要はなく、「知識として知っておくとちょっと楽しい♪」くらいの感覚で取り入れるのがおすすめです。
✅まとめ:お正月はタブーを避けて、1年の福を呼び込もう!
お正月に気を付けたいNG行動は、次の4つがあります:
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これらのタブーには、日本の昔ながらの風習や願いが込められています。
「福を切らない」
「火の神様に休んでもらう」
「清らかな食材を選ぶ」
「福を掃き出さない」
といった意味があり、それぞれが新年を穏やかに迎えるための知恵でもあるのです。
もちろん、すべてを完璧に守るのは難しいかもしれません。
でも、大切なのは「どんな気持ちで新年を過ごすか」という心のあり方。
形だけにとらわれず、「今年も家族みんなが元気で、笑顔でいられますように」と願いながら、小さなことから取り入れてみるのがおすすめです。
たとえば、おせち料理を楽しみながら伝統に触れてみたり、お正月は少しゆったり過ごして、日々の慌ただしさをリセットしたり。
無理なくできることを選びながら、あなたらしいお正月を迎えてくださいね。
ほんの少しの意識が、きっと素敵な1年のスタートに繋がります。
皆さまにとって、心も運気も晴れやかな新年になりますように♪
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